当院では院内感染対策として、適宜次のような取り組みを行っております。２０２４年６月１日の診療報酬改定により「外来感染対策向上加算」として月に一回６点を算定させていただきます。

1. 院内感染対策に関する基本的な考え方

院内感染とは、医療施設において患者様が原疾患とは別に新たに罹患した感染症、又は医療 従事者等が施設内において感染した感染症です。院内感染を防止し、発生時に速やかに対処す ることは医療提供機関の重要な責務であります。 院内感染は、人から人へ直接、又は医療器具等を媒介して発生します。特に、免疫力の低下 した患者様、高齢者等の易感染患者様は、通常の病原微生物のみならず、感染力の弱い微生物 によっても、院内感染を起こす可能性があります。このため、院内感染防止対策は、医療従事 者ごとに対策を行なうのではなく、医療施設全体として対策に取り組むことが必要です。

2. 院内感染対策のための基本的事項

感染管理者が中心となり、従業員全員で院内感染対策を推進します。具体的には、院内感染の防止・対策、感染性廃棄物の適正処理を図り、適宜院内感染に関する技術的事項等を検討する。さらに、 院内感染の発生状況の把握、アウトブレ イク発生時の早期特定及び制圧に努め、微生物の感受性パターンを確認し、 抗菌薬の適正使用に活用しています。対象患者様の抗菌薬治療において、適切な微生物検査・血液検査・画像検査等の実施状況、 初期選択抗菌薬の選択・用法・用量の適切性、 微生物検査等の治療方針への活用状況なども経時的に評価を行 っています。

院内職員に必要な感染対策の具体的な対策として「院内感染防止対策マニュアル」を整備し、それに沿って院内感染対策を推進し、また感染対策上必要な物品・薬品等は積極的に導入しています。

また、基幹病院と連携体制を構築し、定期的に必要な情報提供やアドバイスを受け、院内感染対策の向上に努めております。

感染性の高い疾患が疑われる場合には、一般診療の方と動線を分けた診療スペースを確保して対応しております。

3. 職員研修に関する基本方針 

全職員を対象とした感染防止対策に関する研修会を年 2 回以上開催し、院内感染対策に必要な考え方や具体的な方策の周知徹底を図っています。また、新規採用職員には感染対策の初期 研修を行っています。

4. 院内感染発生時の対応に関する基本方針 

院内において院内感染が生じ得る病原微生物が検出された場合、あるいはこれらの感染症が 発生した場合や、院内感染が疑われる事例が発生した場合には、スタッフと協力して初期対応や感染拡大防止に努めることとしています。 なお、感染症法による届出が義務付けられている感染症が特定された時には、速やかに保健 所へ報告し、必要に応じて連携して緊急対策等を講じることとしています。

5. 患者様等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針 

本取り組み事項は、院内掲示を行うことにより閲覧ができるようにしています。 また、感染症発生時は、院内感染拡大防止及び感染症治療の徹底を図るため、患者様・家族 様へ十分な情報提供を行ない、対策に必要な協力を得ることとしています。